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今の銅相場はバブル!?

投稿日時:2014/04/21(月) 05:11


世界を驚かせるほど大幅に銅価格が急落してから一ヶ月以上が経ち、「あの時、何が起こったのか?」がレポートされるようになって来ました。



「そんなに大きな変動があったの?」という方のために、解説させていただきます。


3月7日、銅の国際相場は、$7,200/tあたりから、一気に$6,500ドル/t近辺まで急落しました。

一時は、1トン当たり6300ドル台と4年ぶりの安値をつけ、2011年の高値である1万ドルと比べると、実に4割近い暴落となる数字でした。



その原因について、「中国で何かが起こった」ということは、当ブログでもご紹介していたことですが、もう少し突っ込んだ話をご紹介しておきたいと思います。



まず知っておくべきことは、「世界の銅の多くがが中国に集まっている」という事実です。

このことは、多くの方がすでに見聞きされている事実でしょう。

たとえば、LMEの指定倉庫の銅在庫はこの半年で半減し、その大半が中国に持ち込まれたと考えられています。

一方で中国の2月の輸出額は前年比18%の減少するなど生産は停滞しており、原料の銅在庫は過剰気味であるはずで、価格下落は当然の結果です。



これだけなら、需給関係に基づく相場の変動ということですから、それほど怖いものではありません。

需給の変動幅に基づいた範囲での価格変動であれば、それほど大きな変動にはならないということですね。



しかし、現実はそんなに甘くないようです。

なぜなら中国では、銅は生産原材料として使われるだけでなく、相当な量の銅が「金融取引」に使われているようです。



金融取引に使われるとはどういうことか?

そちらは本論ではないので、ごく簡単な説明とさせていただきますが、輸入された銅が保税倉庫などに置かれたまま転売が繰り返されたり、それを担保にした取引が繰り返されているということです。

この仕組みは、闇金融というか、影の銀行と呼ばれるものと同質です。



問題は、この闇の金融取引に使われる目的で銅在庫が存在するために、需給関係以外の理由で銅相場が変動することなのです。

3月に起きた銅相場の大幅な変動は、まさに金融取引目的の銅に対して不安が広がったことが原因のようです。



「3月7日に銅の国際相場が一気に急落した」と申し上げましたが、この日は中国の上海超日太陽能科技という会社が、デフォルト(債務不履行)する事件が起きた日です。

この事件、デフォルトは起こらないだろうと考えられていたようですが、当局が金融引き締めへの強い意志を表明することを目的に、わざとやったようです。

この事件は、銅の「影の銀行」に対する当局の引き締めの意思と受け取られ、投機筋やファンドが慌てて銅売りに走り、大幅な下落につながった・・・というのが、3月に発生した大幅下落の最大の原因であるようです。



実体的な需給関係が原因でなく、中国の都合による現在の同価格高騰と、暴落の可能性が明確に示された事件だったと考えています。



少し噛み砕いた言い方をしますと、

今の銅相場は、中国バブルによる相場である事実がハッキリしたということです。

経済成長による需要増大での銅相場ではなく、闇の金融取引を目的とした、実体のない相場なのですから・・・。

少なくとも、私はそう確信しました。



それじゃ、明日にでも銅バブルは弾ける可能性があるのか?



世の中は、それほど単純に物事が運ぶわけでもないらしいです。

世界の銅供給は、鉱山の暴動やストなどを理由に安定しておらず、新しい鉱山の生産コストもトンあたり6000~7000ドルが前提となっています。

バブルと言われようが何と言われようが、今の銅相場を前提に世界は動いているのも、これまた現実です。



結論。

今の銅相場は実体のないバブルだが、実体経済がバブルに引っ張られることにより、バブルがバブルでなくなる可能性もある・・・。

さ、皆さんはどっちに賭けますか?

やはり相場ってバクチですねえ・・・。

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