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ロープと踏み台を持ってこいや

投稿日時:2013/09/30(月) 05:36

一ヶ月に一度、弊社が精錬へ出荷済した貴金属含有くずの結果報告を精錬会社より受けています。

これは、いわば学校の成績表のようなものでして、出荷した商品の中からどれだけの金属を得ることができたかの報告になります。


たとえば、貴金属含有くずを1トン出荷したとしましょう。

金が100g、銀が200g、パラジウムが50g、銅が300kg採れましたよ・・・ てな具合の報告書が来るわけです。


この報告書、怖いのは金銭とストレートに直結しているところです。

金が100g採れたらなら、現在の価値で約40万円です。

もし金が倍の200g採れたなら約80万円ということになりますし、半分の50gなら20万円ということになります。


貴金属含有くずの代表選手の一つである「基板くず」を例に挙げると、「はい。これはキロ100円」などというように値付けをして買い取りしている訳です。

この値付けは、弊社が精錬会社より過去に受け取った報告書、成績表をもとに経験から品位を予想して値付けしています。

いわゆる「目利き」というやつですね。


この「目利き」、やはり経験がモノを言います。

多くの商品を見て、結果が出るところまで自分で追いかけ、その過程を頭に叩き込むことの繰り返しで経験が蓄積して目利きができるようになります。

ある程度のことはマニュアル化も可能でしょうが、一定のラインから先はマニュアル化も難しい直感の世界。

そんな職人芸の世界かと思います。


前置きが大変長くなりましたが、先週金曜日にはその成績表の一つを受け取りました。

現在は複数の精錬会社へ商品を出荷して、結果を比較するという手法をとっておりますので、あくまで結果の一つなんですが・・・


卒倒しそうになりました。

あまりの評価の低さ=採れた貴金属の少なさに、我が目を疑い、倒れそうになりましたよ・・・。


「自分の見る目に間違いない!」とまでは申しませんが、過去同じようなものを出荷した実績はそれなりに豊富で、結果に大きなバラツキもない商品だったのですが・・・。

これまでの実績からの予想で言うと、約半分の結果しか出ませんでした。


つまり10トンの基板くずを出荷し、過去の実績から1kgの金が採れるだろうと予想していたら、500gしか取れませんでした・・・ということです。

これって、400万円の売り上げを予想していたら、200万円の売り上げだったということですよ。


当然仕入れというものがあるわけでして、過当競争の現在では、売り上げ予想から何十万円かを引いた金額が仕入れ・・・という世界です。

大赤字じゃないの。

「お~い。誰かロープと踏み台を持ってこいや・・・」と言いたくなる気分ですわ。


ま、首を吊るほどでは無いのですが、正直痛いですね。

コツコツと積み上げてきた利益の大放出祭じゃ~。


実は、こんなことは結構あります。

予想の半分というような散々な結果はさすがに珍しいですが、「大ハズレ」程度なら、年に一度の恒例行事のようなものです。

だ か ら 、 ぜ ん ぜ ん 気 に し て ま せ ん よ 。  は い ・・・。



この散々な結果の商品、出荷前に全量チェックを自分でやってから出荷したんですわ。

間違いなく全量検査をしたんです。

日頃は出荷前全量検査なんてやらないんだけど・・・ね。


だから、出荷商品がどんな内容だったか完璧に分かっているのよ。

オーバーじゃなく、完璧に。

だからオレが悪いんじゃあない。

運が悪いか、精錬会社が悪いか、そのどちらかだ!


そうでも考えないと、怖くてこれから仕入れができなくなっちゃうよ・・・。

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