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中古自転車の今後の展開2

投稿日時:2016/03/25(金) 06:28


前回ブログのタイトルは、「中古自転車の今後の展開」でした。


しかしその内容と言えば、過去数年の経緯に加えて、現状に少々触れただけ。





どこが「今後の展開」だ!?


そのようなお叱りを頂くのが目に見えておりますので、現状の補足と今後の話を追加することを本日のネタとさせていただきます。





まず現状なんですが、数ある中古自転車の種類のうち、「シティサイクル」、「ストレート」と呼ばれる、フレームがカーブしていない自転車が、特に苦戦中です。


こういうやつです。

201405021451_1.jpg










どちらかと言えば、若者が乗っているイメージですね。


スカートを履いた人だと少々乗りにくいから、男の子向きというイメージ。





ストレートの自転車が苦戦中である理由は、単純です。


需要に対して、供給が多いからです。





ストレートタイプの自転車よりも、ママチャリタイプの自転車を求める人・・・というか、国が圧倒的に多いんです。


このためストレートタイプの需要って、それほど多くないのに、日本での発生量は結構多い。


前回ご説明しましたが、鉄スクラップ価格下落などで、中古(リユース)自転車の供給が増えるような場面では、需給バランス、価格が崩れます。





プロの方はご存知でしょうが、ストレートタイプの自転車は買い止めにしているヨセヤさんも少なくありません。


ウチも正直、要りません。


利幅が少なくて、利益がほとんどない上に、売るのが大変だから。





今後、しばらくストレート自転車の暗黒時代が続くことは間違いありません。


暗黒時代を脱するためには、日本からの供給量を減らす、あるいは新規にマーケットを開拓するしかありません。





供給量を減らす方法は、価格を引き下げること。


地方や業者によって差がありますが、現在のストレート自転車の売買価格って、1台700円ほどになってきています。





鉄スクラップにすると一台100円ほどにしかならない状況ですから、差額が600円/台あるのが現状です。


これでは、まだ供給が減らない。





供給が減るのは、スクラップにした時と、中古にした時の差額が500円を切ったくらいからです。


鉄スクラップ価格が上昇して、1台あたり210円ほどになり、中古価格が1台700円のままなら、1台あたりの差額は490円です。


このくらいから、中古商品としての自転車の供給量は減り始めます。間違いなく。





念のために理由を書いておきますと、鉄スクラップにするなら手間も場所も掛からないけれど、中古商品にしようとすると、結構な手間と場所を要するので、本音では中古自転車なんて誰も扱いたくない。


利益のために、やむを得ずやっているのですから、利幅が縮小してメリットが薄れると、「もうや~めた!」という方々が続出するのです。


スクラップにするか、リユース(中古)にするか、その判断の大きなラインが、「差額500円」ですね。





わざわざ自転車をリユースにしようという人が、壊滅的に減少するのが「差額300円」のラインです。


差額300円になると、正直リユースに回すメリットはゼロに近いです。


ウチみたいに年間何万台も扱う業者ならリユースし続けますが、そうでない限り、1台300円の差額ならスクラップにしたほうが効率的・・・というか、利益になります。





鉄スクラップ価格が1台あたり200円、リユース価格が1台あたり500円。


このくらいになると、需要に供給が追い付かず、間違いなく価格が上昇します。





当然そういうタイミングでは、利幅減少と価格下落による損害で、リユース自転車を取り扱う業者は減っています。


「何か新規商材はないか?」くらいの軽い気持ちでリユース自転車の取り扱いを始めた参入者は、すでに淘汰されている局面ですから、ウチらはウハウハ。


・・・それが半年後なのか、5年後なのかは分かりません。





さて、「ウハウハ」のタイミングは、一体いつやってくるのか?


私なりに分析しています。





まず中古自転車の取引価格(ヤード持ち込み価格)には、事実上の「下限」があります。


たとえタダで引き取ってきた自転車でも、「この価格を下回ると、運賃が出ない」というラインがあるのです。


詳細は省きますが、「大人用自転車で一台500円」。


これが下限です。





円高だろうが、鉄スクラップが下がろうが、世界恐慌だろうが、大人用自転車の売買価格が1台500円を切ることは、絶対にありません。


もちろん、ほんの瞬間的にはあるかもしれませんが、このラインを切ると、中古自転車の供給が限りなくゼロになるので、需給バランスから価格が上昇を始めます。





安心してください。


中古自転車の価格は、(大人用で)1台500円を割ることはありませんよ。





しかし言い方を変えれば、(大人用で)1台500円程度まで下がる可能性があるということです。


中古自転車の取引価格が1台500円って、別に珍しいことではなくて、過去10年間のうち数年間は、そんなものじゃないですかね?


だから、それくらいまで下がっても、なにも驚くことではありませんよ。





中古自転車のヤード取引価格は、大人用で1台500円になる。


その想定で事業計画を立てるのがよろしいかと思います。





さて、最後に鉄スクラップ価格の話です。


「スクラップ自転車」という、あまり好まれない鉄スクラップの価格が、1㎏あたり15円程度にならないと、自転車1台の鉄価格が200円を超えません。





リユース自転車の価格は1台500円を下回らない訳ですから、自転車スクラップ価格が1台200円を上回ってくれないと、差額300円という状態にならない。


すなわち、先述の、当社が「ウハウハ」の状態にはならない訳です。





自転車スクラップ(鉄)の価格が、1㎏15円を超えるタイミング。


これがリユース自転車ビジネスにとって、反転上昇するタイミングだと思いますよ。





このタイミングが早ければ、傷が浅くて済みますね。


でも淘汰される業者が少ないから、リターンも小さくなる。





鉄スクラップ価格の上昇が数年後・・・ということになると、当社も含めて多くのプレイヤーが深い傷を負います。


でも、反転に転じた時のリターンは大きくなりますね。


リユース自転車を扱うプレイヤーが減っていて、生き残った業者による寡占状態にあるはずですから。





基本的に当社は、コロコロと・・・いや、柔軟に事業内容を変更することにより、今日まで生き残ってきています。


しかしそろそろ、中核となる事業については、しぶとく、頑固に継続していこうと考えています。


その一つが、中古自転車事業ですね。





というわけで、本論である「中古自転車の今後の展開」について、ご理解いただけましたでしょうか?


一言でいうと、「見通しは明るくないけれど、底が見えているので、ウチはしぶとくやります。」


ということで!

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