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サウジとイラン

投稿日時:2016/01/06(水) 06:25


2016年の年明け、世界(経済)が揺れていますね。





一番の材料は、サウジアラビアとイランの対立激化でしょうか。


1月3日、サウジアラビアは「イランとの外交関係を断絶する。」と発表しました。





あれ?


そもそも事の発端は、1月2日、サウジアラビアがイスラム教シーア派指導者であるニムル師の死刑を執行したことだったんですけどね。





念のために補足しておきますと、サウジアラビアはスンニ派、イランはシーア派がそれぞれ多数派を占める、中東における大国です。





イランでは、ニムル師の死刑執行に抗議する群衆が、サウジの大使館や領事館を襲撃。


イランの最高指導者ハメネイ師も、処刑を非難していました。





こんな流れですから、イランがサウジとの国交を断絶するのかと思いきや、逆にサウジがイランとの国交を断絶。


サウジはイランとの国交を断絶するつもりで死刑執行を行い、予定通りに事を運んだ・・・としか見られませんね。





このような状況になった最大の原因は、やはり原油価格の下落にあるのでしょう。


原油価格の低迷で、サウジは2015年に続いて大幅な財政赤字が予定されており、国内の燃料・電気・水道料金も大幅に値上げすることになっています。


当然、国民の不満は高まります。





天然資源を王族が管理し、その利益を国民に分配することにより、王族が国の支配者となっているサウジのような国では、原油価格の下落は王族の支配を揺るがすことになるんですねえ。


国内の不満が高まったとき、独裁的な為政者が行う政策は、昔から決まっています。


「国民の不満の目を、外に向けろ」です。





あまりに分かりやすくて、笑ってしまうようなサウジとイランの国交断絶なのですが、問題は石油価格への影響です。


大産油国同士の対立、中東湾岸の不安定化により、原油価格はどのような影響を受けるのか?





実はもう、答が出ています。





両国の国交断絶直後の、4日WTI原油先物価格は、一時1バレル38ドル台に上昇したものの、すぐに下落。


5日は、1バレル=35.97ドルで終了しました。


これは、終値ベースで昨年12月21日以来の安値です。





要するに、サウジとイランの国交断絶のニュースが流れた次の日には、国交断絶の前より原油価格が安くなっちゃった・・・ということです。


これには当事国のサウジとイランだけでなく、他の産油国も涙目になったことでしょう。





日本経済全体にとっては、どちらかと言えば原油価格の下落は喜ばしいことなのかもしれません。


しかし、私やアナタにとっては、どんなものでしょうねえ?





原油価格と資源価格は、切っても切り離せない、深い関係にあります。


ガソリンが安けりゃ、鉄も非鉄も貴金属も安い。


基本的には、そういうことで宜しいかと思います。





正月早々の喜劇のような外交断絶でしたが、「今年も資源価格は安い」ことを、強く印象付けることになりました。


あ、原油をはじめとした全ての資源価格を押し上げる方法がありますね。





皆さんお分かりだと思いますが、本気でドンパチやってくれれば・・・ね。



 

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